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千年続くお寺を目指して

2024.03.04

行事の伝統を守るか?信仰を守るか?

蘇民祭をご存じですか?
ベンモウも蘇民祭は知っておりましたが、2024年の今年が最後になったということですが、今年は7000人集まったと報道されました。
7000人ってスゴイ!
岩手県を中心に日本各地に伝わり1000年以上の歴史のある日本三大奇祭の一つのはだか祭りで国の無形文化財とされているということは国が補助金を出して守っているお祭りということです。
奥州市の黒石寺の檀家は14軒 10軒の檀家が中心となってお祭りを支えていたということ、そして、
蘇民祭を行うために檀家はお精進という決まりを守らなくてはならないそうです。
お精進という身を清める厳しいルールを守り、一週間 肉、魚、卵、野菜、ネギ、ニラを断つ、
動物性の物は食べられず、豆腐やこんにゃくなどしか食べられない。
それだけでなく精進していない人の家に行き、火を使って食べたり飲んだりしてはいけないし、精進をしていない人を蘇民祭に携わる人の家に入れてはならないことも守られているそうです。
五穀豊穣や息災、作物が豊作でありますようにとか健康でありますようにという御祈願を行うもので伝統的にこの袋を取り合うことが伝えられていますが、この袋には疫病や災難から免れる御守やお札が入っていると言われています。
イベントにすることで伝統を守るか?信仰を守るか?
この選択は難しい。
イベントとして残したところでこの蘇民祭の歴史は守れても携わる人たちの心は守れない。
この行事に携わる人の支えがどれほどあったか、携わる人たちを気遣う気持ちも当然あるでしょうね。
支える人たちの高齢化や現代にそぐわないというのも理由でしょう。
信仰はお祭りがなくともその個人個人が信仰していれさえすれば良いのでは?と考えますが、
伝統行事を残すのも続けていくもどちらでも同じくらい難しいのですね。
しかし、1000年にわたり、蘇民祭の伝統を守り続けたという黒石寺と支える人たちがいたという事実はなくならない。
どんなことも栄枯盛衰がある、流行も物事はいつか終わるかもしれないということを知っておくことは心構えに

もなります。
これが仏教で示すところの無常なのかもしれないですね。
※昨日もYouTube撮影で一日が終わりました。

2人、テキストの画像のようです

PROFILE

住職 鈴木 辨望
住職 鈴木 辨望
真言宗豊山派天明寺住職
大正大学文学部を卒業、同大学院修士課程修了。文学修士を取得。
真言宗豊山派総本山長谷寺研修所を終了後、天明寺の住職に専住する。
「千年続くお寺を目指して」日々奮闘。

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