頭を剃り上げ、お坊さんのお姿のお地蔵さんが錫杖で大地を打ち付けるのは「おれが進み道を開けよ!」という意味ではありません。小さな虫さえ踏みつけないように大地に振動を響かせるためだといわれております。生きとし生けるものすべて、共存共栄のために無駄な命を奪わない、そんな優しさがお地蔵さんのお姿に現れているのですね。親より先に亡くなった、あるいは突然の事故で命が失われてしまった、また、この世に未練が残り成仏できないなど、救われない御霊を救って下さるのはお地蔵さんの役割だといわれております。