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2025.04.26
「仏壇」と「神棚」について呼び方を考え直してみる
先日、御祈願に来られた方が、「神棚」と呼ばれる場所に大日如来の尊像をお祀りし、その横に御祈願のお札を置いておられました。
真言宗では、仏壇のご本尊として大日如来を安置するのが一般的です。仏壇とは、先祖や故人の位牌を安置し、その中心にご本尊を祀る場所といえます。
お仏壇を「お寺やお堂を小さく再現したもの」と考えるなら、
自分や家族を見守ってくださる存在を祀る場所
この二つの目的が自然に混在していると捉えることもできます。
一方、神棚は、もともと神様をお祀りするためのものです。
神道では穢れ(けがれ)を避ける考え方が重視されますが、それでも葬儀は行われます。
また、神道では、先祖を祀るために祖霊舎(それいしゃ)や、仏教でいう位牌にあたる霊璽(れいじ)を設け、神棚とは明確に区別して安置します。
こうした背景を踏まえると、
先祖や故人を弔い、回向するための場所
自分や家族の日常生活での願いを成就する場所
この二つを区別することは、「仏壇」と「神棚」という単なる呼び分け以上に、それぞれの目的を明確にする意味でも適しているのではないかと考えます。
実際、真言宗でも、「滅罪(めつざい)」すなわち先祖や故人への回向と、「祈祷(きとう)」とは、本来明確に区別して考えます。
お寺でも、法要の趣旨に応じてお堂を使い分けたり、場所や建物を区分して使用することがあります。
また、大日如来を中心とする曼荼羅の仏様も、本来は、先祖や故人への回向のためのご本尊、あるいは、祈祷のためのご本尊と言った具合に目的によってお祀りする仏様を分けます。
つまり、「先祖や故人への回向(えこう)」のための棚があり、「自分や家族の信仰の対象」として、自宅を守護してくださるご本尊さまをお祀りする棚があっても、何ら不自然ではないということです。
ですから、御祈願に来られた方が神棚に大日如来をお祀りしていたこと自体は、おかしいとは言えません。
ただ、「神棚に大日如来を安置する」という表現には、やはり違和感を覚えてしまうのです。
そこで、提案したいのは、次のような呼び方です。
○先祖や故人の供養を目的とする棚 → 回向棚(えこうだな)
○家族を見守り、自宅を守護してくださる神仏や御札を安置する棚 → 祈祷棚(きとうだな)
宗派によって考え方には違いがあるかもしれませんが、神様と仏様を厳密に分けるよりも、日本人が長い歴史の中で自然に受け入れてきた宗教観
――神仏がともに寄り添う感覚――
を大切にするなら、このような区分の考え方は、現代にふさわしいのではないかと思っています。
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