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2025.05.25
位牌を神棚に!どう考える?
法事で伺ったお宅でのことです。
ご自宅で法事を行う際、専用の棚を設けて、その場所に故人の位牌を安置しているというのは、よく見られる光景です。
ところが、先日伺ったお宅では、故人以外のご先祖の位牌が「神棚」に置かれていました。
神棚に大日如来を安置しているお宅の例をお話しましたが、これは「自宅を守ってくださる」という目的であれば、大正解です。
しかし、神道の“ケガレ”を意識すると、神棚に位牌を置くというのは間違いといえます。
そうなると、仏壇と神棚を厳密に分けるのではなく、目的別に区別する方が良いと考えます。
・亡くなった方やご先祖を供養・回向するための壇(仏壇・回向壇)
・生きている私たちの心を整え、家を守っていただくよう願いを伝える壇(神棚・祈祷壇)
といったように、それぞれの“役割”で捉える方が、今の生活感覚には自然に合っているのではないでしょうか。
本日、配信した動画「神社とお寺の違い」でも、やや私見の強い内容ではありましたが、多くの日本人が持つ感覚と照らし合わせれば、決して的外れではなかったと考えています。
実際に、「お寺でいただいた御祈祷札やお守りを仏壇に納めている」「神様も仏様も一緒でよいと考えている」といったご家庭も少なくありません。
一方で、「厄除けは神社でするもの」「神社での葬儀はありえない」といった意見も根強くあります。
しかし現実には、お寺で厄除けや諸願成就のご祈願をされる方も多くいらっしゃいますし、神道の葬儀である「神葬祭(しんそうさい)」も、神主さんによって執り行われています。
ただし、神社の境内に「お墓」を設けることはありません。
これは、神道における“穢れ(けがれ)”の考え方が背景にあります。
死や血に対する忌避意識は、神道と仏教を分ける大きな思想的なポイントの一つです。
神様も仏様も大切にする「神仏習合的」な姿勢は、ある意味で日本人らしい柔軟な信仰の形だと思います。
しかし一方で、民間信仰としての「死に対する穢れ」の感覚は、やはり今も大切にしたほうがよいのではないか――そんなふうにも感じています。
皆さんは、どうお考えになりますか?
※YouTube更新しました!
『今さら聞けない神社とお寺・神様と仏様の違い』
①HPコラム/人間関係とお金に関する悩み(丸儲け住職YouTube)
②Facebook一般投稿 寺院運営を中心とした経営の話
③Facebook成功する寺院運営(オンライン会員限定)
天明寺の実践的な内容と具体例、ベンモウの考え
④X(ツイッター)毎日の名言・丸儲け住職YouTube内容のまとめ
⑤インスタ 人間関係とお金に関する悩み発信
⑥note 現代のお寺事情