お香は、仏教伝来と共に、日本に伝えられた文化です。
茶道や華道や能楽などと同じように発展した香道においては、「聞香(もんこう)」といって、焚いたお香を楽しみながら、そのお香の五味「甘、苦、辛、酸、鹹(しおからみ)の味」を聞くことを言います。
「匂いを嗅ぐ」というと、高貴な香りには不純であるので、「聞く」と表現しています。
そのような香木は、東南アジアに生息する沈香樹が自然の流れによって、川の底や地中に埋まった特殊な状態で、何百年という長い年月を経て、生成されるのです。
天明寺では聖天さんに、金より高いとされる極上の「伽羅(きゃら)」香を供えます。
すべての願い事を叶えてくださる霊験あらたかな聖天さんに対する、行者の真摯なる志を最高級の香りにのせてお届けするのです。